前回のブログでも述べた通り走り幅跳びにおいて「助走」はとても重要です。なぜなら足が速いことと幅跳びの記録がいい事は関係が強いからです。
かつてカールルイスという100m走と走り幅跳びで金メダルを獲得した選手がいました。また、日本で初めて10秒1台を出した朝原選手も元々幅跳びの選手でした。
走り幅跳びで記録を狙うなら助走の練習は一番大事でしょう。
2つの助走の方法
助走スタイルは大きく2種類に分けられます。
①セットスタート
足を固定し静止した状態から走り出すスタート方法。
メリット
助走リズムが取りやすく安定性が高い。スピードが元々ある選手におススメ。
デメリット
助走のスピードの乗りが遅くなる。それも加味したうえでトップスピードで踏み切れるだけの助走距離を決める必要があります。
②ローリングスタート
スキップやステップなど補助的な助走で勢いをつけてスタートする方法
メリット
容易にスピードに乗りやすい。助走前半で動きが固くなってスピードがのってこない選手はおススメ。
デメリット
安定性に欠ける。第一マークをしっかり踏むことが安定性を保つために重要。
助走時に置くマークについて
助走時におけるマークは2つまで置けることがルールで定められています。1つ目のマークを「第1マーク」2つ目のマークを「第2マーク」と呼びます。
助走のスタートで置く人が多いかもしれませんが、スタートの位置はメジャーのメモリを目安にすれば問題ありません。
助走を安定させるために途中経過としてマークを助走の途中に置くのが一般的です。例えば15歩助走の選手であればスタート3歩目に「第1マーク」を残り6歩で「第2マーク」を置きます。
18歩助走の選手であればスタート6歩目と残り6歩目です。
途中でマークを確認しつつも、気を取られ過ぎずにジャンプに集中する必要があります。反復練習で歩数の感覚を頭と体に叩き込まなくてはいけません。
「助走は反復」です!
疾走能力と助走歩数の関係
いかに助走のスピードと歩数の目安を表にしています。
100m 自己記録 | 助走歩数 |
10秒8~11秒3 | 21~19歩 |
11秒4~11秒9 | 19~17歩 |
12秒~13秒 | 17~15歩 |
13秒以上 | 17~13歩 |
小学生で13秒を切れる選手はほとんどいないでしょうから、13歩程度を目安に助走歩数を決めてみてはいかがでしょうか。
中学生以上の選手は上の図を参考に自分の助走歩数を決めてください。
助走の設定方法
上の表を参考に助走の歩数を決めたら第1マーク、第2マークの位置を決めます。
それぞれの役割は第1マークまでは気持ちよくリラックスしながら加速。第2マークからは最大スピードが出るように全力で加速。第2マークから踏切までは踏切準備区間となります。
以上のことを頭にいれて、まずは50m程度の区間でスタート位置を決めて指定の歩数を練習してみます。コーチかチームメイトに見てもらい、第1マークや第2マーク、全体の距離を決定します。
決定した距離やマーク位置を実際の走り幅跳びのピットに反映させて微調整していきます。
第3者の目
助走の位置決定はその日の調子や風の強さによっても変わっていきます。また踏み切った瞬間は自分では正確に確認できないものです。パートナーに見てもらいながら修正していきましょう。
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